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FIRE計画(嘘)
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- reiji990
タイトルにあるようにこの記事は嘘をついています。本題部分は茶話に聞いたFIRE計画をそれらしく組み立てたもので、私はこのような計画を実行していませんし、聞いた話から数値を多少ずらしています。
最近のこと
今年は自分史上最も可処分時間の少ない夏を過ごしています。
企業勤めというのは続けていくうちに可処分時間が減っていくものらしく、同年代で別の企業に勤めている人たちも概ね似たような状況だと話していました。
可処分時間が減り、労働に嫌気が差しているらしい彼らと話していると、FIREのために投資にガチり始めたらしいことをよく聞きます。というか、同世代以下で私がある面を好ましく思っている人たちはそのほとんどが、FIREを目指して投資やら副業やらに邁進するか、「60までに体壊して早く死にたい。それまで全力で楽しむ」と自堕落な生活を送っているかのどちらかになっています。どうしてこうなった
私は収入の不安定化を極端に恐れているため(トラディショナル企業勤めあるある)、FIREする度胸はとてもありませんが、話を聞く限りFIRE志望者の一人は私が想像するよりもはるかに手軽にFIREを達成できると考えているようでした。
随分前に適当に聞いていた話を、はたしてあれはどの程度の確度の計画だったのか、ド深夜にふと気になり投資情報を調べてスプレッドシートを開き少ない睡眠時間を更に削るという愚かすぎる行為をつい最近してしまいました。休養不足で集中力がないせいでむしろくだらないことに時間を割いてしまうという、YouTubeやX漬けオタクのような愚行です。睡眠時間は今年前半のNASDAQ100のチャートのような急落振り。この状態から速やかに脱却して初夏に失った習慣(筋トレ、古典、ピアノ)を取り戻すべく、毒素を吐き出して忘れてしまおうと書いたのが今日の記事です。
また嘘をつきました。ピアノは初夏どころかここ一年まったく触っていません……。ピアノ教室でも入会しようかな。
資産切り崩し計画
毎月円を年間受け取るために、年利で運用しながら切り崩していくために必要な元本は以下になります。
聞いた計画は概ねこんなところでした。
種別 | パターンA |
---|---|
毎月の生活費 (C) | 140,000 |
金融資産が尽きる年 (N) | 45 |
年利 (R) | 0.12 |
必要な金融資産 (P) | 14,664,276 |
元本を年平均リターン12%のNASDAQ100に投資し続けながら生活費を切り崩す時、元本が1,500万円あればFIREができるのだといいます。 これだと、35歳からこのペースで切り崩し始めれば日本人の平均寿命までの生活費を捻出できる見込みです。
……かなり無理があるように見えますが、話は続きます。
FIRE資金積立計画
そして、FIRE資金1,500万円を貯めるというのはたいした手間も期間も必要ないのだと言います。
年利Rの有価証券に円を毎月積立投資して年経過した時の元利合計額は以下になります。
(初期投資額がある場合は、右辺にを足すことになりますね)
これにも聞いた数値を入れます。
種別 | パターンA | パターンB |
---|---|---|
年利 (R) | 0.12 | 0.12 |
積立額 (C) | 80,000 | 150,000 |
年数 (N) | 9 | 6 |
元利合計額 (A) | 14,948,825 | 15,394,308 |
年利12%というのは先ほどと同じNASDAQ100の平均リターン。
積立金額と金融商品のチョイスにもよりますが、元金0円からのスタートでも10年足らずでFIREに必要な資金を貯めることが可能ということらしいです。1,500万円ならNISA枠のみで達成できる金額のため金融所得に税金もかかりません。
ツッコミどころなど
指摘するまでもないことですが、この規模の小さいFIRE計画はいくつも穴があります。
- NASDAQ100が今後半世紀も過去と同様のリターンが続くと見積もっていること
- 資産形成期間が短いため株価変動リスクが大きく確度が低いこと(15年はみるべきらしい)
- 切り崩す元本が少ないため出費で失う割合が高く、一度急な高額出費が発生しただけで容易に計画が破綻すること
- 長生き(平均寿命超過)で計画が破綻すること
など。
そのため、金融資産はこれより余裕のある金額を用意するべきでしょうし、継続的な賃労働はしないとしても何らかの収入源は持っておいた方がいいでしょう。(という当たり前すぎるつまらないツッコミをしたような気がします)
とはいえ、この胆力は多少見習いたいものです。
私も可処分時間はあればあるだけやるべきことがある口でして、まとまった時間(とお金)を確保するための試行錯誤は続けています。とは言っても「クソどうでもいい」タスクの効率化や破棄くらいで、労働や快楽のための活動などにはメスを入れていませんでした。
やるべきことのために必要な時間とお金を見積もり、必要であればこれまで手をつけていなかった領域にもドラスティックな変更を加える、ということはあってもいいのかもしれません。